mad love

モドル | モクジ





――……殺してあげましょう。貴方は私のモノにならないのならば。




貴方がいないのならば、世界なんて全て壊れてしまえばいい。
貴方は私のモノ。離れる事は許さない……。





Mad love




「やっ…やだ!たすけ……っ!」

闇だけが続く真っ暗な空間に悲痛な叫び声が響き渡る。
助けなど来るはずもないのに必死に声をあげて助けを求める。その姿は愛おしくて憎らしい。
誰も来る筈のない、誰も来れる筈はない。ここは私と貴方だけの世界。
私には貴方さえいれば他は何もいらない。だから、貴方にも私以外何もいらない。
いらないモノは私が消してあげましょう?邪魔するモノは私が許さない。

「…綱吉くん」
「…っくろ…」

涙で潤んだ瞳に私を映す。歪んだ姿はまるで私の心を映し出しているようで、全てを見透かされているように感じる。
顎を無理矢理掴むと目が恐怖の色で染まる。
そっと顔を近づけ耳元で愛を囁いた。

「好きですよ、綱吉くん。…殺してしまいたいほどにね」
「――っ!?」
「どうしたら貴方は私のモノになるのですか?」

どれほど傷付けても、犯しても、けして満たされない。
貴方が私の手のひらから零れていくようで…不快だ。
貴方の瞳には私しか映っていないのに、何も映していないように…どこか虚ろだ。
どれほどその体に私を刻み付けても貴方の心は綺麗なままだ。
ねぇ、貴方は何を見ているのですか?
貴方の心はどこにあるのですか?
貴方は私のモノだと言ったでしょう?
この体も、その心も、全て私だけのものなんですよ?

「私以外のモノになるなんて許さない」
「やっ…骸っ!」

心が手に入らないなら体だけなんて許さない。
心も体も貴方の全ては私だけのモノだ。
この指も、この手も、この髪も、この足も、この目も、この唇も、この心臓も
全て私のモノ。

「たす…て……ばり…さ…」

あぁ、やはり…貴方はそうなんですね
ならば私は……



「綱吉くん」
「え…?」




「       」






クフフ…
これで本当に貴方は私のモノになりましたね。
これからはずっと離しませんよ?折角全て手に入ったのだから。
大切にしますよ。永遠に……。

「愛してます。綱吉くん…」






――…殺したいほどに…








END?


あとがき

本当はヒバツナ←ムク。
三つ巴好きです。でも、基本はこういう形になることが多いですね。


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